黒部市宇奈月温泉総湯

富山県黒部市,公衆浴場・観光案内所,S造,地上4階地下1階,1092.96m2,2016
写真クレジット:鈴木研一

平成30年度 富山県建築文化賞優秀賞  主催:富山県建築文化賞協議会
北陸建築文化賞2017  主催:日本建築学会北陸支部

プロポーザルで選定され、設計監理した宇奈月温泉の温泉街の中心となる総湯です。
普段の暮らしの中へ、来客を迎え、もてなすような、「湯の街の大きな家」を提案し、
「まちをつなぐこと、温泉街感を上げること、交流の場所になること」を目標としてプロジェクトを進めました。
日帰り温泉施設と観光案内所、住民利用を想定したフリースペースが併設されています。

1階は案内所とフリースペースです。南側は大きく開放できる格子戸として街に開き、
敷地南北に面する二つの道路まで見通しと通り抜けを作ることで街の回遊性を高めています。
温泉のある2,3階には街から見える広縁を設け、賑わいを街へ伝えます。
浴室には座湯やベンチなどの居場所を、浴槽をぐるりと囲むように設えました。
お湯にふれながら、ゆっくり過ごし、言葉を交わしてもらえたらと思っています。

設計と平行して住民WS等では施設の活用の検討企画、実験が行われ、
市と地域とともに動いてきたプロジェクトです。
浴槽には黒部川の石を、内部に地域産の杉を使い、宇奈月ならではの色と肌ざわりの空間となりました。
夜には、格子戸から光があふれて街をやわらかく照らしだします。
温泉を源泉掛け流しとするだけでなく、貯湯槽、排湯槽を設けて、熱エネルギーとして出来る限り効率よく使う工夫にも取り組みました。

現場の様子を綴った「黒部宇奈月温泉総湯ofa現場レポート」はこちらで