六甲最高峰クサハラプロジェクト_苗植付

六甲最高峰クサハラプロジェクト、兵庫県神戸市、2021.03
企画実施:ofa+sfg
ランドスケープデザイン:sfg
写真:ofa

六甲最高峰トイレ新築工事のランドスケープにクサハラをつくるプロジェクトです。建物の竣工後、春を待って植付仕上げに取り組みました。以前にワークショップで集めた種を育てていただいた人と自然の博物館から、現地に苗が届きました。

長いもので2年程度の育苗で、まだちいさい苗です

雨天のためイベントとしては開催かないませんでしたが、参加予定だったボーイスカウトから、任意でと一緒に植付作業に加わっていただきました。

勉強タイムも設けて種や苗の説明を聞いたり、観察をしたりしながら植付ました。

雨が降り出して、作業完了時には霧も出てきました。大きな庇とベンチで一息ついて、安心して身支度を整え記念撮影ができました。

真庭市湯原振興局・ふれあいセンター(移転整備改修)

市役所振興局+ふれあいセンター(改修移転整備)設計監理,岡山県真庭市,2020.03
既存改修部分(S造,2階建,1785.83m2)+増築(S造,平屋建,93.37m2)
事務所、図書館、ホール、交流スペース、住民活動支援(ワークショップ)

総括意匠設計監理:ofa/小原賢一+深川礼子(担当:小原、深川)
構造設計監理:有限会社桃李舎
設備設計監理:株式会社アイ設計
照明デザイン:株式会社加藤久樹デザイン事務所
ワークショップ協力:納屋工房
写真クレジット:鈴木研一

第31回BELCA賞表彰建築物(ベストリフォーム部門) 受賞 (公益社団法人ロングライフビル推進協会)

振興局事務所の移転先として隣接する町民ホール「ふれあいセンター」が選定されました。そのプロジェクトにおいて、昭和60年竣工の既存建物を、事務所の移転に合わせて性能も機能も、今とこれからの湯原地域にふさわしい空間へリノベーションすることを提案して、プロポーザルで選定いただき、設計監理+住民活動支援に取り組みました。

既存建物内部 廊下と小さな部屋の分割されていて使い勝手も下がっていた

800人規模の大きなホールをコンパクトに整理して、その分図書館と交流スペースをゆったり作っています。川沿いの気持ちの良い環境を活かして、部分的に外へ居場所を拡張するように庇を張り出しました。待合や会議室、交流スペースなどは共用としてフレキシブルに運用されます。既存の光庭の周りに多様なスペースが展開する、全体が一つの「ふれあいセンター」になりました。これまでの公共複合施設に多かった、「隣接しているけれど交わらない」状況を、プランと市による条例の再整理を同時に行い、それぞれの施設がゆるく空間を共有することで、豊かで効果的に新しい場所を作ることができました。必要に応じて断熱を補強し、サッシを追加するなど、環境性能も向上しています。

設計開始と同時に住民活動支援として住民参加、中学生とのワークショップを企画実施しました。3+1回のワークショップを経て、地域の声を聞き、地域の次の活動を後押しするプロジェクトとしても取り組みました。

エントランスから交流スペース、光庭、振興局カウンターと図書館がつながってみえる

振興局カウンターと一般利用可の会議室、それらで共用できる待合

ホール前は普段は振興局の待合として利用し、イベント時はホワイエとなる

1951年築の木造2階建て旧湯原振興局と新しいテラスの重なる風景

本と気持ちよく過ごすためにある魅力的な場所 真庭市立湯原図書館

キッズコーナーはカーペット敷きでリラックスして本と触れ合える

旭川と山の緑を望める閲覧デスク

キッチンを備えた交流スペース

交流スペースを外へ拡張するテラス

席数をコンパクトに整理し、地域産木材で仕上げたホール

展示会などの際は、解放して使えるホール出入口

建物から漏れた光が庇軒天に反射して明るさを広げる

日暮れ以降も中の活動が重なって見え、ふれあいセンターの魅力を発信する

3回にわたって地域の方と一緒に考え手を動かしたワークショップ

改修の現場は、解体が始まってからわかることを、丁寧にスピーディーに反映しながら設計検討を重ねる必要があります。クライアントである市と、施工者、設計者が一体となって、次々に現れる想定外に、コンセプトを維持しながら粘り強く対応して、新しいふれあいセンターとして生まれ変わりました。

鷹取駅前広場リニューアルアンケート実施中(12月18日まで)

ofaで関わっている神戸市のJR鷹取駅の北側広場リニューアルプロジェクトに関するアンケートが神戸市のHPで始まりました。近隣にお住いの方だけでなく、どなたでもwebで回答できる仕組みです。
駅前広場は道路法上の「道路」なんだけれど、本当は街の一等地にあるみんなの広場だったり、街のマエニワみたいなものじゃなんじゃないかなというディスカッションから始まったプロジェクトです。
短めのアンケートです、皆さんのご意見をお届けください。

現在のJR鷹取駅北側駅前広場のようす

ひととまちの魅力をつなぐ「かわのみち」_旭川サイクリングロード周辺施設設計

サイクリングロード休憩案内施設+住民活動支援(ワークショップ)+ロゴ+周知資料,岡山県真庭市,2019.03
グラフィック協力:SIRUSI

市内を流れる旭川に沿って勝山・久世・落合の三地域を結ぶ、サイクリングロードの周辺施設整備設計です。休憩スペースや家具、看板、路面サイン、東屋、ロゴ、マップなどをデザインしました。
ルート全長の中から、川を楽しめる気持ちのいい場所をいくつも選んで、場所ごとに大きさや高さの違う家具をレイアウトしました。地域の木をたくさん使っています。全長25㎞の短めルートなので、親子でゆっくり休み休みサイクリングして、それぞれの場所で「かわのリビング」のように過ごしてもらえたらと思います。


公園と川をつなぐ場所に大きなベンチとテーブル

ルート近くの見所やトイレを知らせるサインとベンチ

自転車をかけてもらえるのを待っているサイクルラック

このプロジェクトは、施設を設計するずっと手前、サイクリングロードの「意味」を市の方や地域の方と一緒に考えるところから、関わることができました。
サイクリングロードを、「ひととまちの魅力をつなぐ「かわのみち」」と位置付けて、川沿いに新しい魅力の場所を生むこと、「自転車」をひとにやさしいモビリティーと考え、歩く人・乗り物に乗る人・まちの交通の将来まで視野に入れて、町の新しい軸となるひとの流れを作ること、まちの方々と情報共有しながら、みちを育てるようにつくることを目指しました。



市の中で関係者に広くお声掛けしてキックオフミーティングを企画したり、まちの方々と意見交換ワークショップを行ったり。たくさんの方に関わって頂きながら進めることができました。
マップやロゴ、路面サインなどのグラフィックは、木テラスに続いてSIRUSIさん。シンプルで伝わるデザインです。


東屋は今後の計画案です。

河川や道路という土木的な存在が、まちとつながり、人の居場所になれるように、小さい要素を、共通するものと、場所ごとの考え、ひとつづつ丁寧に、関りを増やしながらデザインしていきました。
ルートは旭川・りんくるラインと名づけられました。

周辺施設整備という名前ですが、ロードバイクが走り抜けるサイクリングロードとはちがう、旭川ならではの「かわのみち」の環境のベースをつくったプロジェクトです。これからこの環境がどう育っていくか、楽しみにしています。

六甲最高峰クサハラプロジェクト_タネトリワークショップ

六甲最高峰クサハラプロジェクト,兵庫県神戸市,2018.05,写真:ofa

六甲最高峰トイレ新築計画の敷地にクサハラのランドスケープをつくります。現地は国立公園内特別地域にあたります。その場所だからこそ、六甲山の地域植生で構成する季節の移ろいや彩を感じるクサハラを作りたいと、仲間を募って六甲山系の草本類の種を集めました。集めた種は、人と自然の博物館で育苗され、現地へ戻ります。

市の担当者や、ランドスケープ・建築の学生さんが参加しました。ランドスケープデザインを担当するsfg大野さんより、プロジェクトやデザイン、当日のタネトリについて説明。

普段、植物観察したりしない人も、ランドスケープや草に目を凝らし、説明を聞きながら丁寧に草の種類を分けて種を集めました。

たくさん集まったタネは、手元で穂から外してクリーニングをし、人と自然の博物館へお渡しします。