木テラスー真庭市久世駅CLTモデル建築物ー

岡山県真庭市,公衆トイレ・休憩施設・サイクリングステーション,木(CLT)造
地上1階,69.79m2,2017
写真クレジット:鈴木研一

材料も技術も、地域に持つ真庭市ならではのプロジェクトとして計画され、設計コンペで選定されたCLTモデル建築物です。新しい木の素材CLT(直交集成板:Cross Laminated Timber)の特性を活かし、可能性を見せる魅力的な木の空間をつくること、日常の中でその大きさや温かみや手触りを感じられること、建設プロジェクトが木のまちづくりにつながる事を目指してプロジェクトを進めました。
3枚の大きな壁で支える3枚の屋根、大きなはね出しの庇、壁の孔が構成の特徴です。間仕切やライニングまでCLTとし、全体が木の家具のような雰囲気です。
駅前のパブリックトイレとしてだけでなく、サイクリングステーションやまちの賑わいの起点として、気持ちのよい人の居場所となるよう、桜に面してゆったりしたテラスを設けました。CLTでベンチやサイクルラックも設置し、駅前を公園のように人が過ごせる広場として設えました。
住民のワークショップや愛称公募を経て、「木テラス」と名づけられて竣工しました。竣工式には多くの住民の方が、屋台や出し物、観客として参加され、木テラスの誕生を祝ってくれました。

総括意匠設計監理:ofa/小原賢一+深川礼子
構造設計監理:有限会社桃李舎
設備設計監理:長谷川設備計画
照明デザイン:クリップ
サインデザイン:SIRUSI

■CLTの特性を活かすシンプルで効果的な構成
大きな木版を精度よく製作できるCLTの特徴を活かし、できるだけ少ない「3枚の壁」で、できるだけ大きい「3m×12mの3枚の屋根版」を支えるシンプルで合理的な構造としています。2方向のはね出しや大スパンなど、それぞれの応力にあわせた構成の3層屋根パネルが有効に働きます。屋根は格子梁で、あわせて有孔壁を含む全体架構を有限要素法で解析することでCLTの特性を最大限に活用しています。部材数を抑え、現場での建て方は半日で完了することができました。

大版のCLTパネルをクレーンで吊り上げてそのまま架設。ダイナミックでスピーディーな建て方と、納まりへの丁寧な対応で、半日でピタリと組みあがりました。

竣工式にはたくさんの方がお店、出し物、観客として参加してくださいました。地域から誕生を祝福されているような、幸せな竣工です。

久世駅の利用者は主に学校に通う高校生。バスや迎えの車を待つ時間、駅と家の間のもうひとつの居場所になってくれたら、と思います。