津山信用金庫勝山支店

基本実施設計監理,岡山県真庭市,2021.04
新築,木(CLT+在来)造,平屋建,延床108.27m2
事務所(銀行の支店)

総括意匠設計監理:ofa/小原賢一+深川礼子(担当:小原,深川,田村)
構造設計監理:有限会社桃李舎
設備設計監理:株式会社アイ設計
施工:三和建設株式会社
写真クレジット:鈴木研一

津山市に本店を置く信用金庫の支店です。ofaは、三和建設株式会社の設計施工チームに参加しました。木材産業の盛んな真庭市勝山地域において、地域産業の魅力を伝え、後押しするとともに、地域での木材活用のきっかけとなるよう、木材を活用した店舗を建設するプロジェクトです。CLTと在来木造を合わせた適材適所の木造で、信用金庫のこれからの姿をあらわす建築をめざしました。

建物はL型の平面を、一部折板としたCLTの壁と屋根で構成し、部分的に在来木造を取り入れて、適材適所の木造建築としました。ロビーは地域交流に活用したいとのお考えもあり、大きなCLTの壁で執務スペースの「守る」とロビーの「創る」を分けながらつないでいます。自由なプランをCLT の折板を用いて、木の表情を活かして、軽やかにつくっています。Tをプリーツのように折って、強度を上げるとともに、アイコンになる印象的な形としました。大きなCLTを内部は表しで用い、効果的に見せるデザインです。


これからの信用組合のあり方として、コンサルティングに力を入れていきたいとのお考えから、ロビーは広く、通りに面して開く形としました。執務室とロビーをつなぐカウンターまわりは、仕切りをなくしてゆったりと作ろうと、奥行きが深くなる部分は屋根をプリーツのように折って強度を上げ、先端を在来木造で支えました。プリーツが方向性を持つことで、南北に視線の抜けるのびのびした空間になりました。
屋根を折ったことで屋根版CLTはt120と薄くなり、軽快な印象を作っています。
奥へ広がるロビーは執務空間と大きなCLTの壁で仕切られています。安定感のある厚みのある木の壁です。金物は隠さずに見せるようにディテールを丁寧に調整しています。建った後も、建物の作り方がわかる構成です。
カウンター内側からは北側の山並みが、来客側からはプリーツの三角形から電車や緑の景色が見える、開放感のある接客スペースです。
接客カウンターもCLTの積層面が見えるように作りました。壁の小口はできるだけ見えるように構成し、CLTの厚みや木の重なり具合が見えるように気を配っています。 北側はCLTの屋根版を在来木造の軸組みが支えていることがよくわかります。ガラスを通して内外がつながる雰囲気は、まちに開くこれからの信金のポリシーを表しています。
暮れ始めると、北側の山並みがガラスに映り、その向こうに大きな木の壁が見えます。
夜には木の温かい色合いに満ちたロビースペースが見え、通りに信金の存在と、その場所がめざす温かさを伝えてくれます。すぐ南側を鉄道がとおる敷地。上空からの写真ではプリーツ部分の長さがよくわかります。この距離を1枚もののCLTで飛ばしています。それが両端だけで支えられているのは、大判のCLTとそれを折る建築の工夫のたまものです。
施工中には構造見学会も行いました。島根大学の学生さんや企画設計施工など建築の専門家など多くの方に見学していただけました。すぐそばを鉄道がとおる難しい敷地でのCLTの建て方も、丁寧な制作打合せと現場の手配でスムーズに進みました。