お引越しの日が近づいてきて、現場は最後のがんばりどころです。和室には、既存の障子もきれいに張り替えられて帰ってきました。木の塗装の色合いは何度もサンプルを塗って決めて、それでも実際に塗るまでわからないもので、仕上がるまで気になりますが、いい色に落ち着きました。

室内の建具もほぼ取り付いて、必要なものが必要な場所にそろってきました。 
吹き抜けの足場を外して照明をつけると、現した2×4床の構成材がよく見えてきました。本当は木造なのに、木のことをすっかり忘れさせてしまう2×4の作り方。構法としては、それが良さでもあったのですが、暮らしの中に木のあたたかさを少し取り戻せるといいなと思います。やわらかい光に照らされて、木の色がより穏やかな雰囲気を作ります。

とはいえ、現場は大忙しです。設計監理も現場頻度を上げて、気づいたことはその場ですぐ相談、対処。最後の追い込み。お引越しまで、あと数日です。








2階では光と風が、とうとう通りました。家の広さがちゃんと感じられて、その向うの屋根なみまで視界の広がる気持ちよさです。
図面で見えにくいところも、現場でどんどん決まっていきます。が、時間がかかることもあります。改修の現場は、とにかく手を動かしながら現場の状況に合わせ、スピードを上げて変更決定していかなくてはなりません。でも、ときどき設計は「うんうん」うなり続けることもあります。
今回の仕上決めのヤマは、木の塗装色検討。これは下地合板ですが、テストにこれでも4色塗ってあります。これはまだ最初のためし、「あたりをつける」ところです。



着工してお盆があって、実働3週間。解体がほぼ終わって整理のついた現場で、工務店さんと詳細確認をしています。
細かい納まり、材の勝ち負け、とりあい、ひとつずつ確認事項を押さえていきます。でも、実はその前の「こういう考え方でいきたい」というビジョンの共有が最も大事。それができていると、調整はスピードが上がり、結果は嬉しいものに。工夫するともっとよくなる、こんな手もある、どんどん仕事がよくなっていきます。
2階の二部屋の間にあった押入れを1階まで光の降りてくる光井戸にしよう。今回の大きな改変のひとつです。南北に長い空間の真ん中あたりに、縦に光と風が通ります。
荷物がすっかり出てしまって、「結構広かったね」と感慨にふけるのもつかの間、一気に解体開始 。
以前にもご一緒した大阪の工務店さん、図面片手に壁に印をつけ、機器を指差し、「ここは残しやな、これはつこたら?これは?それは?」と矢継ぎ早に確認。設計者も判断力フル回転です。
あっという間に家の中に風と光が回り始めました。断熱を入れなおす部分は、いったんはがします。土間もきちんとコンクリートを打ってあって、きれいなものでした。
神戸市内で住宅の改修プロジェクトの現場がスタートします。